髪の毛が一日に何本抜けるのか、どのくらいの量が正常なのか知っていますか?一般的な抜け毛の量は男性・女性ともに100本程度です。入浴後の排水溝や枕に髪の毛が10~20本あったとしても問題ありません。
しかし、一日の抜け毛の量が200~300本に増え、いつもより多いなと感じた場合は危ないです。2本くっついて抜ける場合や、ほかの髪の毛よりも伸びる長さが短い髪の毛が抜けていると病気の可能性があります。
この記事では、抜け毛の原因や放置すると危険な抜け毛を解説します。正しい抜け毛の予防方法も紹介しているため、薄毛が気になる方は今日から実践してみましょう。
- ストレスや生活習慣などの抜け毛の原因がわかる
- 異常な抜け毛の種類は3種類
- 頭皮マッサージなどの正しい抜け毛予防を紹介
目次
一日の抜け毛は髪の毛全体の0.1%だけ!本数は約100本
一般的に1日に抜ける抜け毛の本数は50~100本程度です。
100本と聞くと多く感じますが、人の平均的な毛髪総数は10万本で、1日に髪全体の0.1%が抜けていることになり、大きな問題ではありません。
抜け毛の量は季節によっても増減があります。また1日に抜ける髪の毛の50~70%は、シャンプー時におこります。
季節の変わり目は寒暖差や頭皮へのダメージ蓄積が原因で抜け毛が増える
季節の変わり目は、抜け毛が増える気がしませんか?
春と秋は通常の2倍も抜け毛が多くなり、なかでも秋は最も毛が抜けやすいとされる季節です。
- 髪の生え変わりによる自然脱毛
- 進学や就職など環境によるストレス
- 寒暖差による自立神経の乱れ
- 夏の強い紫外線による頭皮へのダメージの蓄積
- 汗や皮脂などの汚れが頭皮に蓄積される
- 冷房による頭皮の血行不良
季節の変わり目に抜け毛が増えるのは、前の季節に頭皮が受けたダメージが強く影響します。
季節による抜け毛を防ぐためには、日頃から頭皮のケアを心掛けることが大切です。
入浴時は一日で最も抜ける髪の毛の数が多く50~70本なら問題ない
髪に触れる時間がもっとも長いのはシャンプー中です。1日の抜け毛の50~70%以上はシャンプー時に抜けています。
ただしシャンプー時に初めて抜けるわけではなく、成長の終わった髪の毛が自然に抜けていたり、すでに抜けている髪の毛が洗い流されたりすることがほとんどです。
乱暴な洗い方をしない限り、シャンプー中に50~70本程度の髪の毛が抜けるのは正常の範囲内で、シャンプーが原因で抜けてしまうことはありません。
一日の抜け毛の量を測る方法と異常の発見方法
一日に抜ける髪の毛の量を測定することは、薄毛や抜け毛の問題を迅速に発見し、適切な対策を講じる上で重要です。以下に、一日の抜け毛の量を測る方法と異常の発見方法を紹介します。
一日の抜け毛の集計
シャンプーやブラッシング時に抜け毛を数えるのがおすすめです。シャンプー時の抜け毛は、ヘアキャッチャーを使い、ブラッシング時は、透明なテープを使って髪を収集するとよいでしょう。
一日の抜け毛の量の変化を記録
一日の抜け毛の量を記録できたら、数週間から数か月にわたって変化を追跡します。この記録を分析することで、抜け毛のパターンや周期性を把握し、頭皮の異常を早期に発見できます。
注意すべき点
抜け毛の量には個人差がありますので、一日の抜け毛の本数が多いからといって必ずしも病気とは限りません。抜け毛の量に異常を感じながらも、抜け毛の量を測れなければ、AGA治療を前提に専門家に相談するとよいでしょう。
抜け毛がおこるメカニズムは髪の毛の毛周期の乱れが原因
平均的な毛髪総数は10万本で、一定のサイクルで発毛と脱毛を繰り返します。
これを「毛周期」といい、1サイクルは5~6年です。サイクルは1本ずつ異なり全ての毛が同時に生え変わることはなく、常に一定の毛量が保たれています。
- 成長期 毛が育って伸びる (2~6年)
- 退行期 抜ける準備に入る (2~3週間)
- 休止期 毛根が活動を中止 (3~6ヵ月)
毛は抜けるばかりではなく、新しく生えてくる毛もあります。
髪の毛全体の10%は休止期といって、頭皮の下で毛母細胞が休んでいる状態です。
休止期が終わると新しい毛が生えてくる成長期に移ります。
しかし、ストレスや加齢、ホルモンバランスの乱れによりサイクルが崩れ、抜け毛が増えたり薄毛になる原因と考えられています。
【要注意】異常な抜け毛の特徴3選
1日に100本ぐらいの抜け毛は一般的ですが、以下のような場合は注意が必要です。抜け毛が多くなったと感じたら、確認してみてください。
抜け毛の毛根に注目!べたつきや2本くっついて抜けるのは異常脱毛の可能性あり
- 毛根が黒い
- 毛根に皮脂が付着している
- 毛根の形が尖っていたり、ギザギザしたりしている
毛根が黒い場合は成長期の髪が抜けている恐れがあります。
毛根にベタベタした皮脂の付着がみられるときには、皮脂の過剰分泌やシャンプーの仕方が悪く、洗い残しが原因の可能性があります。
また毛根の形が尖っていたり、ギザギザしたりしていると、頭皮に何かしらの異常があり、ヘアサイクルに異常をきたしている場合が考えられます。
髪の毛が細く短い場合はヘアサイクルの乱れが原因
細く短い毛が多く抜ける時には、ヘアサイクルに異状がある状態で、髪の毛が正常に成長していない可能性があります。
成長期が短くなると、髪が太さや長さを保てなくなり、髪が細くて短いまま抜け落ちてしまいます。
季節の変わり目とは関係なく一日200本、300本抜けると危ない
季節を問わず、毎日200本以上髪が抜けるときは、病気が原因の可能性もあります。
とくに以前と比べて抜け毛が増えた、シャンプー時に驚くほど抜ける、枕に大量に付着しているなどは、異常な抜け毛の兆候が考えられ、注意が必要です。
抜け毛の原因と考えられる病気や習慣
抜け毛の原因はストレスや生活習慣、ホルモンバランスの崩れ、過度なダイエットが考えられます。
それ以外にも脱毛症や女性型脱毛症も考えられるので、気になる症状があるときは、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが肝心です。
- ストレスや乱れた生活習慣で頭皮の血行が悪くなる
- 産後のホルモンバランスの崩れは一般的には一過性
- 女性がやりがちなダイエットも度が過ぎると脱毛の原因に
- 脂漏性脱毛症やAGAなどの脱毛症はクリニックで治療する
- 女性型脱毛症(FAGA)は早期に気づきにくいため要注意
ストレスや乱れた生活習慣で頭皮の血行が悪くなる
ストレスを感じていると、自律神経やホルモンバランスが崩れます。
それによって頭皮の血行が悪くなり、栄養が十分に届かなくなってしまいます。
さらに、栄養バランスが偏った食事や睡眠不足、喫煙といった生活習慣の乱れは、髪の毛の成長に欠かせない、栄養が摂取できていない、栄養が届かないことになり、髪の毛が成長する前に抜けていきます。
産後のホルモンバランスの崩れは一般的には一過性
ホルモンバランスの崩れは、女性の抜け毛に大きく影響します。
なぜなら髪の毛の成長に欠かせない女性ホルモンのエストロゲンが減少するからです。
しかし、産後の抜け毛は一時的な脱毛であることが一般的です。
妊娠中にはエストロゲンが通常よりも多く分泌されているので、抜けるはずの髪の毛も抜けにくい状態になっています。
産後はホルモンバランスが崩れ、エストロゲンが急激に減少することにより、妊娠中に抜けるはずだった髪の毛が一気に抜け落ちてしまいます。
女性がやりがちなダイエットも度が過ぎると脱毛の原因に
ダイエットが原因で抜け毛が増えることもあります。主な原因は次の5つです。
- 栄養不足
- 血行不良
- タンパク質の不足
- 脂質不足による頭皮の乾燥
- ストレス
ダイエット中は極端な食事制限による栄養不足や、基礎代謝が低下するため、血行不良になり、頭皮に栄養が届かなくなります。
タンパク質から生成されるアミノ酸は、髪の毛の健康を維持するために必要で、不足すると正常なヘアサイクルが乱れてしまいます。
ダイエット中は揚げ物や脂肪分の多い食べ物を敬遠しがちです。
極端に脂肪分を摂取しなくなれば、皮脂の分泌が減り、頭皮が乾燥しやすくなります。
乾燥すると不足した潤いを補おうとして、皮脂が過剰分泌され、頭皮環境が悪化してしまいます。
美味しいものを食べたい。
好きな物をお腹いっぱい食べたいといったダイエット中の我慢がストレスになりがちです。
ストレスは髪の毛の成長に悪影響を与えるため、ダイエットを行うときは栄養バランスの良い食事と適度な運動を心掛けましょう。
脂漏性脱毛症やAGAなどの脱毛症はクリニックで治療する
脱毛症には次のような種類があります。
- 脂漏性脱毛症 頭皮の脂漏症が原因
- 男性型脱毛症(AGA) 男性ホルモンの一種であるテストステロンが原因
脱毛症は、生活習慣の改善やストレスの予防、栄養バランスの良い食事などで改善される可能性があります。
症状が酷い場合は皮膚科やクリニックでの治療が必要となることがあります。
女性型脱毛症(FAGA)は早期に気づきにくいため要注意
女性型脱毛症は一般的に40代以降に発症することが多く、女性ホルモンの減少が原因です。
初期症状は頭頂部や分け目から、髪の毛が徐々に細くなり抜けやすくなること。
進行すると薄毛部分が広がり、やがて頭皮が見えるようになります。
進行が遅く気付くのが遅くなりがちなので、初期症状に早く気付くことが重要です。
抜け毛の予防は外的要因・内的要因両方に対処するのが大事
抜け毛の原因は、外的要因や内的要因など複数の原因が考えられトータルケアが大切です。
そのため今日から始める抜け毛の予防法3つを以下にまとめましたので、参考にしてください。
やりすぎは要注意!優しい頭皮マッサージで血行促進する
マッサージするときには、固くなった頭皮を柔らかくするイメージで行うことがポイントです。
まず首のマッサージからおこないます。
耳の下から顎のラインまで沿うように優しく指圧していきましょう。
頭皮をマッサージしていきます。
親指を耳上の生え際に、残りの指を額の生え際に当て、額から頭頂部に向かって下から上へ、押し上げるイメージで、優しく指圧していきましょう。
頭頂部に達したら、次は後頭部から首へかけて指圧していきます。
指の腹を使い親指以外の4本の指で押していきましょう。
中指を耳の後ろに当て、4本指を使って地肌を上に持ち上げるように上下に動かします。
首の後ろをマッサージしていきます。
首の中心から首筋にかけて、優しく指圧していきましょう。
マッサージは定期的に行うことが大切ですが、やりすぎは要注意です。
過剰な刺激が加わると頭皮を傷つけてしまったり、せっかくのマッサージ効果が損なわれたりします。
優しく丁寧なマッサージを習慣化し頭皮の血行を改善していきましょう。
正しいシャンプーで毛穴詰まりを予防する
シャンプーの目的は、頭皮の汚れを落とし綺麗な状態を保つことです。
ですが間違えた洗い方では、抜け毛予防にならないどころか、逆に頭皮を傷つけてしまう恐れがあります。
正しいシャンプー方法を知り、頭皮を清潔に保ちましょう。
予洗い
- ぬるめのお湯(38~40℃)でしっかりと洗う
- 毛の1本1本が水を含むように洗う
シャンプー
- 摩擦による髪の傷みを防ぐため、頭皮に直接シャンプーをつけない
- シャンプーを手やスポンジで泡立ててから使う
- 指の腹を使い、バレーボールを両手でつかむイメージで優しく洗う
すすぎ
- 汚れが残らないようにシャンプーをしっかりと流す
- えり足や耳の周りも忘れずに流しましょう
- 洗浄よりも時間をかけて頭皮のぬめりが無くなるまで洗い流す
リンス
- 毛先のみリンスやコンディショナーをつける
- 頭皮のぬめりが無くなるまで洗い流す
清潔な頭皮を保つためには毎日洗うことも大切ですが、シャンプーは髪の天然油分を奪うため頭皮に必要な油分まで無くなってしまいます。
頭皮の状態や髪のタイプにあった頻度で洗うことが重要です。
睡眠、運動、ストレス発散で体の内側から抜け毛対策をする
抜け毛を予防するためには、生活習慣の見直しも必要になります。
抜け毛は体調やストレスが原因と考えられているため、生活習慣の乱れに心当たりのある方は以下を参考に見直してみましょう。
- 良質な睡眠をとる
- 過度な飲酒や喫煙をしない
- 運動不足の解消
- ストレスを溜めない
睡眠不足はあらゆる体の不調を引き起こします。
良質な睡眠は成長ホルモンを分泌させ細胞を修復させます。
1日最低でも6時間の睡眠を取るように心掛けましょう。
喫煙やアルコールは髪の毛の成長を妨げます。とくにタバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させるため体内の血流循環が悪くなります。
血流が悪くなると、髪の成長に必要な栄養素が届かず、頭皮環境や髪の成長に悪影響を及ぼしてしまいます。
適度な運動やストレッチを行うと血行がよくなり、新陳代謝が高まるだけでなく、発毛に欠かせない成長ホルモンが増加します。
また適度な運動はストレス解消になります。
髪の毛の成長に欠かせない、亜鉛や鉄分、タンパク質、ビタミンをバランス良く摂取するために食生活を見直すことも重要です。
薄毛の具体的な意味と原因・対策方法を紹介
抜け毛は髪が抜け落ちますが、毛髪の本数に変わりはなく、一時的であることがほとんどです。
生活習慣や適切なヘアケアを行うことで改善できます。
一方、薄毛は毛髪の本数が減少し続け、髪全体のボリュームが減っていく状態です。
毛根が萎縮し新しい毛が生えてこなくなります。男性に多く見られますが、女性にも起こることがあります。
男性ホルモンの影響や遺伝的な要因のほかに加齢、ストレス、病気、薬の副作用など原因はさまざまです。
薬や手術などの治療が必要な場合があるので、自己判断せず早めに皮膚科やクリニックの受診がおすすめです。
原因によっては、クリニックなどでの治療が必要となります。
抜け毛に関するよくある質問
- 男性ホルモンの影響による男性型脱毛症(AGA)
- ストレスや生活環境
- アルコールやタバコの過剰摂取
- 遺伝的要因
- 女性ホルモンの変化(妊娠、出産、更年期)による女性型脱毛症
- ストレスや生活環境
- 過度なダイエット
- パーマやカラーリング、ドライヤーの使い方
男女で原因が異なるので、対策方法も変わります。
抜け毛が気になるときは、早めに皮膚科やクリニックで受診する必要があります。
- 健康な髪の毛が抜ける
- 抜け毛の本数が1日あたり100本程度
- 生活習慣の乱れが原因であることが多く、原因が解消すると回復することが多い
- 髪の毛が徐々に細くなっていき、生えてこなくなることもある
- 抜け毛の本数が増え、徐々に髪の毛が減っていく
- 遺伝的な要因、ホルモンバランスの変化、病気が原因となることが多い
- 薄毛になると自然に回復することは難しい場合がある
抜け毛が気になりだしたら早期に対策を
最近抜け毛が多くなったと不安になっていませんか?
情報が多すぎて、どのような対策を取ればよいのかわからなくて困っていませんか?
まだ大丈夫、時間が経てば治るかもと、現実から目をそむけたくなる気持ちはよく分かります。
ですが、放置しておくと抜け毛が進行していく可能性があります。
早めに対策することで、結果は大きく変わってきます。
生活習慣の改善などの対策をしても、抜け毛が減少しない場合は、早めに皮膚科やクリニックで受診しましょう。
専門家からの提案やアドバイスは、抜け毛に悩む方にとっては非常に重要です。ご自身にあった最適な方法を提案してくれるので、安心できますよ。