肥満は薄毛や抜け毛を引き起こす原因の一つです。東京大学医科学研究所では、肥満がマウスの脱毛症を発症を促進したとの研究を発表しています。(参考)
最近、暴飲暴食を繰り返し体重が増加し、抜け毛が気になる人は要注意です。脂質や糖質の摂りすぎはヘアサイクルが乱れ、薄毛になる理由のひとつです。
肥満による薄毛は男性・女性どちらでも発症しますが、痩せたら治る可能性があります。そこで、薄毛と肥満の関係や肥満を解消するための方法をまとめました。
最後まで記事を読み、食生活や日常生活を改善し健康的な体型とボリュームのある髪の毛を取り戻しましょう。
- 肥満と薄毛は関係があり、肥満を解消すれば薄毛の改善が期待できる
- なぜ薄毛に?原因は高カロリー食やホルモンバランスの乱れ
- 痩せても薄毛に改善の兆候が見られなければAGAクリニックに相談を
目次
【女性も要注意】薄毛と肥満は関係しているのか
肥満の男性はAGAを発症する可能性が高く、肥満と薄毛には密接な関係があると言われています。
肥満は薄毛になる原因のひとつ
肥満は薄毛を引き起こす原因の一つで、次のような関係性があると考えられています。
- 血行不良により頭皮に必要な栄養が届かない
- ホルモンバランスの乱れ
- 偏った食生活で脂質異常を引き起こす
のちほど詳しく解説していきます。
痩せたら薄毛の予防や改善につながる
肥満の解消により血行不良、ホルモンバランスの乱れが改善され、健康な頭皮環境を作り出し、薄毛の予防や改善につながるとされています。
肥満が薄毛を引き起こすのはなぜ?理由を項目別に解説
ここでは肥満が薄毛を引き起こす原因について紹介します。
まずは何が薄毛の原因となるのか詳しく知ることで、効果的な対策を行えるでしょう。
高カロリー食や偏食で皮脂が過剰分泌され頭皮環境が悪化
あなたは脂っこいものや、ジャンクフードなどの高カロリーな食事が好きですか?
高カロリーな食べ物は脂質や糖質が多く含まれていて、摂りすぎると体内に脂肪を溜めこみ、皮脂が過剰に分泌されます。
皮脂が過剰に分泌されると毛穴が詰まり、頭皮環境が悪化しヘアサイクルが乱れるので薄毛の原因となるでしょう。
ホルモンバランスの乱れによる脱毛の促進
ホルモンバランスの乱れがなぜ薄毛を引き起こすのか、原因がいくつか考えられます。
- 男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)を増やす。
- DHTは毛包(もうほう)に結合し悪影響を与えて脱毛を促進する。
- DHTは毛包への血液供給を減少させ、栄養素と酸素が届きにくくなり、髪の毛が徐々に細くなっていく。
- ホルモンバランスの乱れは体内の炎症にもつながり、慢性的な炎症は発毛に影響を与える可能性がある。
肥満はホルモンバランスの乱れを引き起こし、薄毛につながる可能性が考えられます。
栄養バランスの良い食事と運動によって、健康的な体重が維持できると、ホルモンバランスの乱れで起こる薄毛のリスクを軽減し、健康な髪の成長を促進できるでしょう。
ストレスや不規則な生活で休止期脱毛症を引き起こす
ストレスや不規則な生活がなぜ薄毛を引き起こすのか、次のような原因が考えられます。
- ホルモンレベルに影響を与え薄毛の原因となる。
- ストレスホルモンとして知られているコルチゾールは、男性ホルモン(アンドロゲン)を増加させ、髪の成長を抑え薄毛や抜け毛を引き起こす。
- 慢性的なストレスは炎症を引き起こし毛包に損傷を与える。
- 休止期脱毛症を引き起こす。
休止期脱毛症とは短期間で髪が抜けていく脱毛症で、成長期にある髪が急に休止期へと移行し頭部全体が薄くなるのが特徴です。
ストレスや不規則な生活は、さまざまな原因で薄毛を引き起こします。
適度な運動を行いストレスを軽減させて、栄養バランスの取れた食事をとり、規則正しい生活リズムを心掛けましょう。
血行不良により髪の毛の成長が止まる
肥満による血行不良がなぜ薄毛を引き起こすのか、以下のような原因が考えられます。
- 栄養不足:ビタミンやミネラルなどの必須栄養素が、毛包に届かなくなり、栄養が不足して髪が細くなったり抜けやすくなる。
- 酸素供給の減少:毛の成長には酸素も必要で、循環が悪くなると薄毛や抜け毛につながります。
- 炎症:血行不良は慢性的な炎症を起こし、毛包にダメージを与え、毛が段々と弱くなり次第に細くなる。
薄毛につながる!肥満とその他の健康リスク
肥満が薄毛に及ぼす影響について理解するためには、他の健康リスクとの関連性も考えることが必要です。
肥満は、心血管疾患や糖尿病などの慢性疾患のリスクを高めるとともに、薄毛の発症や進行にも影響を与えることがあります。以下に肥満による薄毛以外の健康リスクを4つ紹介します。
肥満と心血管疾患
肥満は、高血圧や高コレステロールなどの心血管リスク因子と密接に関連しています。
これらの疾患により血管の健康が損なわれ、十分な栄養や酸素を毛根に供給できなくなります。その結果、抜け毛が増え薄毛につながる可能性があるのです。
肥満と糖尿病
肥満は糖尿病の主要なリスク因子の1つです。糖尿病は、高血糖により血管が傷つき、神経や血管の機能が損なわれるリスクがあります。
これにより、薄毛の原因となる頭皮の血行障害や炎症につながることがあります。
肥満とストレス
肥満は、身体的な健康リスクだけでなく、精神的な健康にも影響を与えることがあります。ストレスやうつ病などの精神的な健康問題は、薄毛の発症や進行に関連します。
ストレスが引き金となり、薄毛を悪化させることがあるため、男性・女性問わず肥満を解消し痩せることは大切です。
肥満と睡眠障害
肥満は睡眠障害のリスクを高めることが知られています。睡眠不足や睡眠時無呼吸症候群などの問題は、ホルモンバランスや免疫機能に影響を与え、薄毛のリスクを高めることがあります。良質な睡眠を確保することは、薄毛の予防や改善につながるのです。
薄毛と肥満を改善するための方法
ここでは薄毛と肥満を改善するための方法を紹介します。
適切な対策を取ることで、薄毛と肥満を解消できるでしょう。
偏った食生活の改善
偏った食生活の改善は薄毛や肥満の改善に効果的です。
以下を意識して日頃の食事に積極的にとりいれましょう。
- タンパク質
- 自然食品
- 加工食品を減らす
- オメガ3脂肪酸を摂取する
- 水を飲む
タンパク質:髪の毛はおもにタンパク質で出来ています。
鶏肉や魚、豆、豆腐などの良質なタンパク質を食事に含めましょう。
自然食品:果物や野菜、全粒穀物、ナッツなどの自然食品には、健康な髪と減量の促進に役立つ栄養素が豊富に含まれています。
加工食品:加工食品は高カロリーで砂糖や不健康な脂肪(飽和脂肪酸・トランス脂肪酸)が多く含まれ、体重増加の原因となり髪の健康にも良くありません。
オメガ脂肪酸:青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸は髪を健康にし、体内の炎症を軽減するのに役立ちます。
青魚のほかにチアシードやワカメ、ナッツ類に多く含まれているのでバランスよく摂取しましょう。
水:水分補給は健康にとって重要であり、健康な髪の成長を促進するのにも役立ちます。
一般的には1日に2リットル(約8グラス)の水を飲むことが推奨されています。
タンパク質や鉄を摂取し加工・高脂肪食品を避ける
薄毛や肥満を改善するには自然食品を多くとり、加工食品や高カロリーな食品を制限したバランスの良い食生活が重要です。
以下に摂りたい栄養素と避けるべき食品を紹介します。
- タンパク質
- 鉄
- オメガ 3 脂肪酸
- ビタミンD
- ビオチン(ビタミンB群に属する水溶性のビタミンの一種)
タンパク質:前述のように髪はタンパク質でできているため、赤身の肉や鶏肉、魚、卵、豆、豆腐などをとりいれましょう。
鉄:鉄は健康な髪の成長にかかせません。
不足すると脱毛につながる可能性があります。
牛肉や豚肉、レバー、鶏肉、魚、エビ、貝類、大豆製品、ひじき、わかめなどの海藻類、ホウレン草や小松菜などの緑黄色野菜に多く含まれます。
オメガ 3 脂肪酸:青魚やチアシード、クルミなどに多く含まれ、髪を健康にし、体内の炎症を軽減するのに役立つでしょう。
ビタミンD:不足すると髪が抜けやすくなります。
乳製品や卵、脂ののった魚を積極的に食べましょう。
ビオチン:卵やナッツなどの木の実、全粒穀物に多く含まれ、健康な髪の成長に欠かせません。
- 加工食品
- 高脂肪食品
- 砂糖の多く入った飲み物
- アルコール
- 精製された炭水化物
加工食品:カロリーや体に悪い脂肪、添加された糖分が多く、体重増加や体内の炎症の原因になる可能性があります。
高脂肪食品:揚げ物や脂肪の多い肉などは肥満の原因となり、髪の健康にも良くありません。
砂糖の多く入った飲み物:ソーダなどの炭酸飲料やスポーツドリンクなどの砂糖の入った飲み物はカロリーが高く、体重増加や体内の炎症を引き起こします。
アルコール:過度の飲酒は体重増加につながる可能性があり、髪の健康にも悪影響を与える可能性があるでしょう。
精製された炭水化物:白パンやパスタなどの精製された炭水化物が多い食品は、体重増加や体内の炎症を引き起こす原因になるため、代わりに全粒粉で作られたものがオススメです。
十分な睡眠時間の確保
適切な睡眠は髪の健康や体重管理など、健康な体と心を維持するために必要であり、睡眠不足はホルモンバランスの乱れを引き起こして細胞修復を妨げます。
またストレスレベルを上げ、食欲を増進させる恐れがあるので注意が必要です。
睡眠不足や不規則な睡眠は薄毛や肥満の原因になります。
十分な睡眠時間を確保し、生活習慣を整えましょう。
適度な運動でストレス解消
適度な運動は筋力や心肺機能を向上させ脂肪を減らし、体重をコントロールするのに役立ちます。
また運動によってエンドルフィンと呼ばれる脳内物質が放出され、気分を高め、不安を軽減し、ストレスを和らげてくれるでしょう。
ストレスは髪の成長や健康に悪影響を与える可能性があるため、ストレスを解消することは非常に重要です。
有酸素運動や筋トレで脂肪を減らし糖尿病のリスク軽減
ランニングやサイクリング、水泳などの有酸素運動は心拍数と呼吸数を増加させ、体がカロリーと脂肪を燃焼するのを助けます。
また有酸素運動は心血管の健康を改善し、糖尿病や心臓病などの慢性疾患のリスクを減らしてくれるでしょう。
ウエイトリフティングなどの筋力トレーニングは、筋肉を増やし基礎代謝を高め、1日あたりの消費カロリーを増やしてくれます。
さらに、筋力トレーニングは骨密度の改善にも役立ち、骨粗鬆症のリスクを軽減してくれるでしょう。
有酸素運動や筋力トレーニングは筋肉や心臓、肺などの機能を強化し筋肉量を増やし、代謝を上げて脂肪を燃焼させるため肥満解消に効果的です。
これらの方法は薄毛の解消に直接的な効果はありませんが、健康を促進しストレスを軽減させるので、間接的に髪の健康を改善することにつながります。
薄毛に悩んだらAGAクリニックに相談
男性型脱毛症(AGA)は基本的には自分で治すことは難しいです。
AGAは進行性があり、放置したままだと深刻な状態となり、自尊心や生活の質に影響を与えます。
そのため、薄毛に悩んでいる方は早めにAGAクリニックに通うことをお勧めします。
クリニックでは専門的な診断や治療オプション、アドバイスを受けることができ脱毛プロセスを遅らせ、発毛を促進することができますよ。
また、AGAを引き起こす根本的な問題を解決してくれるでしょう。
薄毛と肥満の関係についてよくある質問
最後に薄毛と肥満の関係についてよくある質問をまとめました。
肥満は薄毛を引き起こす!早めの対策で薄毛予防しましょう
最近太ってしまった、抜け毛が多くなった気がすると不安になっていませんか?
情報が多すぎて、どのような対策を取れば良いのかわからなくて困っていませんか?
まだ大丈夫、時間が経てば治るかもと、現実から目をそむけたくなる気持ちもよく分かります。
ですが放置していると抜け毛が進行するだけでなく、取り返しのつかない病気になるかもしれません。
早めに対策することで、結果は大きく変わります。
先ずは生活習慣の改善から始め、それでも抜け毛が減少しない場合は、早めに皮膚科やクリニックで受診しましょう。
薄毛に悩む方にとって専門家からの提案やアドバイスはとても重要です。
ご自身にあった最適な方法を提案してくれるので安心できますよ。